【ALBIOS Study 2014NEJM】重症敗血症へのアルブミン投与
背景
アルブミンの投与に関しては,未だに分からないことが多いです.
よく議論されているのは,間質から血管内に水を引き込む効果があるとか・・
多少効果はあるのかもしれませんが,明確なエンドポイントで有意性を示したものはないはずです.
重症患者さんにおいて,最も大きな研究は2004年のSAFE研究だと思います.
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/nejmoa040232
アルブミン製剤には,50mlと250ml製剤があります.
それぞれ25%と5%なので,アルブミン自体は12.5gになります.
この研究が行われた背景は,サブグループ解析でアルブミンを使用したほうが,予後が良くなるんじゃないか,という仮説に基づき行われました.
結果はトータルの水分負荷を減らすことはできましたが,エンドポイントに差は認めませんでした.
個人的には,サブグループ解析を信頼してはいけないという観点からも,重要なテーマで在ると思います.
以下Chat GPTの要約
この研究は、重症敗血症患者におけるアルブミンの投与の有効性を評価したものです。研究は多施設共同、オープンラベルの試験として実施され、1818人の重症敗血症患者が対象とされました。患者は20%アルブミンと結晶液または結晶液のみのいずれかを受け取るように無作為に割り当てられました。アルブミン群では、ICU退院または無作為割り当て後28日までの間、目標血清アルブミン濃度を30 g/リットル以上に維持することが求められました。
主要な結果指標は28日時点での死亡であり、二次的な結果指標には90日時点での死亡率、臓器機能の異常の有無と程度、ICUおよび入院期間が含まれていました。
結果として、アルブミン群の患者は、結晶液群の患者と比較して、初めの7日間において平均動脈圧が高く(P=0.03)、純水分バランスが低かった(P<0.001)。ただし、日々の投与液量の合計は両群間で有意な差はありませんでした(P=0.10)。28日時点で、アルブミン群の895人中285人(31.8%)、結晶液群の900人中288人(32.0%)が死亡しました(アルブミン群の相対リスク1.00、95%信頼区間[CI] 0.87~1.14、P=0.94)。90日時点では、アルブミン群の888人中365人(41.1%)、結晶液群の893人中389人(43.6%)が死亡しました(相対リスク0.94、95%CI 0.85~1.05、P=0.29)。他の二次的な結果指標についても、両群間に有意な差は認められませんでした。
結論として、重症敗血症患者において、アルブミンと結晶液の併用は、結晶液単独よりも28日および90日での生存率を改善しなかった