好酸球性筋膜炎
《Images in clinical medicine》
世界トップジャーナルのNew England Journal Medicineには,いわゆる臨床的な写真のコーナーがあります,
今回は,好酸球性筋膜炎でした.
通常の筋膜炎は,いわゆる壊死性筋膜炎(NF)なので,進行が極めて早いものになります.
以前経験した,GAS(Group A streptcoccus; 溶連菌)では,アンプタしている最中に広がり拡大して処置を要する程,劇症型に拡大したものもありました.
一方で,このケースでは8ヶ月に渡る経過なので,ゆっくりと進行するもののようです.
好酸球といえば,脂肪織炎(Panniculitis)という鑑別は時々がありますが,筋膜炎もあるのだと勉強になりました.
ちなみに,通常の糖質コルチコイド(GC)も効かないというのも興味深いです.
好酸球増多症(Eosinophilia)は,時々臨床でも見かけますが,多くはステロイドが効果的な印象がありました.
逆説的ですがステロイドの効果が乏しい場合は,変な病気も考える必要があるのかもしれません.
とはいえ,通常はステロイドは診断前に入れるものではありませんし,少なくとも適切な病理検体を含む検体が採取された後ということは言うまでもありません.
Clinical pictureはシンプルですが,メッセージ性も多く勉強になります.