〇〇病院診療看護師(NP)のお勉強用

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2023-05-01から1ヶ月間の記事一覧

【TRANSFORM-HF trial 2023 JAMA】 トルセミドとフロセミドの比較

https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2800428 背景 通常体液管理目的に最も使用されるのは,利尿剤の中でもフロセミドです. 臨床的にも,ダントツで98%くらいはフロセミドが使われているように思います. これが病棟で退院に向けた内服管理…

イレウスと腸閉塞

呼称はとても大事 細かすぎるのも問題ですが,伝わらないのはもっと問題です. 例えば,「抗菌薬」と「抗生剤」では意味が通じると思います. でも「イレウス」と「腸閉塞」では全く異なる事象を示しているのでプレゼンの際は注意が必要になります. 故障に…

医師の直接的指示に法的妥当性はあるのか?

臨床工学技師が放射線照射 神戸大学病院で,臨床工学技士が放射線を照射したとして問題になっているようです. 記事には,医師の直接的指示で臨床工学技士へ放射線照射のボタンを押していた,ということのようです. https://www.yomiuri.co.jp/national/202…

PACER Dutch Trial (NEJM 2023)CVカテーテル留置前の血小板輸血は必要か?

血小板低値と中心静脈カテーテル(CV) そもそも中心静脈ラインが必要な患者さんの多くは,重症患者です. 重症患者の場合は,血小板がよく下がります. 血小板の寿命は10日程度とされています. 重症患者の場合は,播種性血管内凝固症候群(DIC)と呼ばれる…

NP創設で在宅医療の問題解決は「あり得ない」のか?

NPとは NPとは主に米国におけるNurse practitione(ナースプラクティショナーの事です. Nurse practitionerの場合は,医師と比較して遜色がないことが多くの研究において示されています. そして,医療コストも安価になるということで,Nurse practitioner…

ノルアドの次に使う昇圧剤は何が良い?

血管拡張薬の分類 心毒性のないもの ・Phenylephrine ・Vasopressin ・Angiotensin-II フェニレフリンは単純なα作用だけですので,血圧低下の際に合計10mlに薄めて1mlづつ血圧を見ながら使う方法が一般的かもしれません. ノルアドレナリンの次の薬剤として…

【NP TasのMKSAP】甲状腺ホルモンの補充

【key point】・レボチロキシンによる甲状腺ホルモンの補充は、甲状腺ホルモン欠乏症の最 適な治療法である。・ほとんどの明白な甲状腺機能低下症患者には、レボチロキシンの完全代替用 量(1.6 μg/kg 除脂肪体重)を開始することが適切である。ただし、高齢…

【NP TatのMKSAP】経口糖尿病治療薬

【key point】・米国糖尿病協会は、若い健康な患者と、妊娠していない女性ではヘモグロビン A1c の目標を 7% 未満にすることを推奨している。 • 心血管への効果が実証されているグルカゴン様ペプチド 1 受容体アゴニスト【GLPー1】またはナトリウム-グルコー…

輸液の目的4つの種類

ここでの話は,いわゆる細胞外液をどのような目的で輸液を行うかということになります. 体の中に輸液が入る場合は,以下の4つの理由・目的により行われることになります. Resuscitation fluid これはショック時の輸液の認識になります. 色んな理由により…

ゾシバンは腎機能を悪くするのか?

《用語について》 ゾシバンとは,ゾシン+バンコマイシンのことです. このあたりの略し方は,地域柄とかもあるのですが,「ゾシンバンコ」といったり「ゾシンバンコマイシン」と言ったりしています. 我々の施設では,「ゾシバン」という表現が多いです. そ…

反応性関節炎

《定義》 細菌感染症が先行した後の関節炎 《原因菌》 Chlamydia, Salmonella, Shigella, Yersinia, Campylobacterなどが原因となりますが,他にも色々あるようです 《脊椎関節炎:SpA》 ・反応性関節炎 ・強直性脊椎炎 ・乾癬性関節炎 ・炎症性腸疾患関節炎 …

【共有資料の振り返り】持続的腎代替療法(CRRT)

我々が勤務している施設では,資料の共有が行われます. 今回はこれです. https://journals.lww.com/co-criticalcare/Abstract/2018/12000/Continuous_renal_replacement_therapy_.6.aspx 《用語》 ・CRRT: 持続的腎代替療法 ・CKRT: 持続的腎代替療法 ・IR…

脊髄損傷後の血圧管理

《生理学的特徴》 1つは物理的に圧迫を受けている脊髄損傷の場合は,当然ですが早急に除圧が必要になります. 2つ目は,損傷を受けた部位は腫れてくるということです. 例えば,顔面を殴打されると顔面が腫れるのと同じく,脊髄も損傷を受けると腫れて来ると…

【NP TAのMKSAP】持続性心室性不整脈

《key point》・持続性の心室不整脈(>30 秒)または可逆的な原因​​のない心停止の患者には、2次予防として植込み型除細動器によるクラス 1 が推奨される。 《私見》VFサバイバーの患者において、VFの原因となる血行動態の診療とVFに対する治療、予防を平行…

腋窩動脈による動脈ライン留置

https://www.emra.org/emresident/article/axillary-arterial-line 《背景》 動脈ラインは通常,橈骨動脈に留置されます. 合併症も少なく,簡便です. ただ,両側の橈骨動脈が使えないシチュエーションも存在します. その時は,大腿動脈が通常選択されます…

好酸球性筋膜炎

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMicm2212023?query=TOC&cid=NEJM+eToc%2C+May+11%2C+2023+DM2200707_NEJM_Non_Subscriber&bid=1556331485 《Images in clinical medicine》 世界トップジャーナルのNew England Journal Medicineには,いわゆる臨…

ESBL尿路感染症にはPIPC/TAZ使える?

《背景》 そもそも,Vitro(試験管内)での効果としては,PIPC/TAZ(PT)は効果的(S)となることがほとんどです. けれども,MERINO trialという研究では,菌血症の患者さんではMEPM(メロペネム)と比較して非劣勢を示せず,ハードアウトカムとしての死亡率…

【NP Tak-sコメント】肺塞栓にはPESIスコア

いままで気にしたことありませんでしたが,肺塞栓症の予後予測スコアのようです. 項目をみると,右心機能に着目したというわけでもなく,Well'sスコアと似たような項目がいくつかあります. 肺塞栓の場合は,PERC,Well's,PESIなどがあります. PERCはリス…

救急領域での大動脈弁狭窄症評価へのTAK-sからのコメント

救急領域では弁口面積までは不要ですね、加速血流の圧格差をキャッチできれば充分ですAC5HてAC3Hの両面で描出すると信憑性も高まります。 ASに伴う心原性失神ですと循環器医にコンサルトするには、正しい描出が出来なければ過大評価過小評価になるので、慎重…

【65 trial : JAMA2020】重症高齢者への血圧目標

特に集中治療の対象となる患者さんで、高齢者の血圧が低い場合に許容できないかな?と思うことがあります。とても有名な研究ですが対象年齢は70-80歳です。日本の場合は、80歳以上の高齢者が多いため、多くはこのポピュレーションからは外れてしまいます。こ…

【洞性頻脈はTACHFEVER】

あくまでも洞性頻脈の話なので、まずは洞性頻脈かどうかを心電図で確認します。他に要因がないかと言うのは、通常常に意識していますが抜けているものがないかチェックする際によく使用しています。 Tamponade/Thyrotoxicosis(心タンポナーデ・甲状腺中毒症…

【急性腎障害(傷害)レビュー(予防編)】

急性腎障害は予防につきます。 具体的には、バンドルを行います。 バンドルとは束のことで、具体的にはKDIGOガイドラインの内容を踏襲しています。 例えば、、腎毒性物質の中止、血行動態とボリュームの適正化、血行動態モニタリング、血清クレアチニンと尿…

【LASER trial: JAMA surgery 2023】憩室炎の保存加療と手術療法の比較

手術は腹腔鏡下にS状結腸を切除する方法です。ランダム化比較試験(RCT)ですが、手術まではさすがにブラインド(盲検化)できません。 主要評価項目は、GIQLIというスコアリングで評価されています。 結果は、手術療法の方が再発も少なく、QOLも良好でした…

【Crit Care 2021】 ノルアドレナリンの下げ時は?

通常は臨床評価として、1ml/hr程度で下げていきますが、臨床的な感覚に過ぎません。 この研究は、集中治療セッティングでしか使えませんが、ΔPVとΔSVの比率(ΔPV/ΔSV)を見ています。 ΔPVは動脈圧の変動でΔSVは心拍出量の変動です。 主に調節呼吸下ですが、呼…

【2023 JAMA】膵頭十二指腸切除時の予防的抗菌薬

膵頭十二指腸切除術時の手術部位感染(SSI)予防目的の抗菌薬は? 通常のSSI予防のための抗菌薬選択は、ブドウ球菌がメインとなるのでセファゾリン(CEZ)を皮切時に血中濃度が高くなるような使い方が一般的だと思います。 例えば、皮切の30分前に点滴などで…

【TEAM trial : 2022 NEJM】

重症患者さんのリハビリテーションはなかなか良い結果が得られていないのが現状です。 もしかしたら、栄養しかりLess is moreなのかもしれません。 とはいえ、看護している感じがあり、人間として個人としてケアしている感じがあるので、ぜひ良い結果を期待…

【RESCUE-ASDH Trial: 2023 NEJM】

頭部外傷は、個人的に最近あまり見なくなりました。 以前の施設では、ほんとに多くて頭部単独での重症頭部外傷も沢山みてきました。 そんななか、急性硬膜下血腫は初療室で即HITTという穿頭で硬膜を切開し、その後に手術室で減圧開頭を行うというのが一般的…

【NP TAのMKSAP】多枝病変での冠動脈バイパスとPCI

<key point> 多血管性冠動脈疾患の患者は、冠動脈バイパス術と内科的治療のみとを比較すると、生存率が向上する。 <私見> 2020年代の虚血性心疾患の患者に対して中等症程度であればカテーテル治療を行わなくても、薬物療法を適切に行えば治療効果は変わらないと言う文献</key>…

【NP TAのMKSAP】心室中隔欠損

《key point》 ・小さな心室中隔欠損は、左胸骨境界にS2 を消し去る、大きな (時折り触知可能な) 全収縮期雑音を示す。 • 心室中隔欠損症の閉鎖術は、左から右へのシャントが小さく、心房拡大や弁疾患がない患者には適応ないが、臨床的な評価と画像検査のフ…

【NP TAのMKSAP】心臓アミロイドーシス

《key point》 ・ガドリニウムによる心臓磁気共鳴画像法は、心臓アミロイドーシスに非常に敏感で特異的ですが、AL (免疫グロブリン軽鎖) アミロイドーシスとトランスサイレチン アミロイドーシスを区別できない。 • 心臓アミロイドーシスと一致する心臓磁気…