〇〇病院診療看護師(NP)のお勉強用

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【NP TasのMKSAP】甲状腺ホルモンの補充

【key point】
レボチロキシンによる甲状腺ホルモンの補充は、甲状腺ホルモン欠乏症の最
 適な治療法である。
・ほとんどの明白な甲状腺機能低下症患者には、レボチロキシンの完全代替用 量(1.6 μg/kg 除脂肪体重)を開始することが適切である。ただし、高齢者や 心血管疾患のある患者は例外で、初期用量は低め(25~50 μg/日)が推奨さ れる。

私見
どの薬剤でも同じだが、治療開始するに当たって、base problemを把握し開始量を理解して、フォローの日程まで決めることが大事である。

 

【コメントRI】

甲状腺機能低下症は,意識して診断しに行かなければ見逃される病気の代表かもしれません.

特に自施設で甲状腺機能が検査できない場合は,敷居が高くなるので採血も出さなくなるかもしれません.

とはいえ,なんか変を具現化することが診断への近道かもしれません.

粘液水腫とは全身に起こります.

下肢に起こるとNon pitting edemaになりますし,声帯に起これば声変わりになります.

つまり体重も増えます.

顔貌としては,眉毛の外側3分の1の脱毛,髪の毛が細くなるなどの症状があります.

治療可能な認知症の代表的疾患でもあります.

他には,やたらとだるいとか便秘などの他,夏でも厚着(寒がり)もあります.

 

ちなみに治療薬はチラーヂンなのですが,初心者が処方しようと電子カルテに打ち込んでもなかなかHitしません.

チラージンではなく,チラーヂンなのです.

「ジ」と「ヂ」の違いです.

なんで,なのかは知りません.

 

治療薬は甲状腺機能を亢進させるので,心不全に注意しつつ甲状腺機能を確認しつつ漸増させていきます.

個人的には,薬剤導入で心不全となった人は見たことありませんが注意が必要と言われています.

 

Hennessey JV. The emergence of levothyroxine as a treatment for hypothy- roidism. Endocrine. 2017:55:6-18. [PMID: 27981511] doi:10.1007/s12020- 016-1199-8