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敗血症性ショックにおけるランジオロールの使用

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はじめに

重症ケアの複雑な状況において、セプティックショックの管理は独自の課題を抱えています。最近の多施設・無作為化試験では、長時間の血管収縮薬サポートを必要とする頻脈性セプティックショックの患者において、β遮断薬であるランディオロールの潜在的な利点を探ることが試みられました。この試験は、2018年4月から2021年12月まで実施され、特定のコホートでのランディオロールの有効性と安全性を評価することを目的としました。

研究デザインと早期中止

このオープンラベル試験は、40のイギリス国立保健サービスの集中治療室で126人の成人を対象としました。これらの患者(平均年齢55.6歳)は少なくとも24時間連続してノルエピネフリンを受けていました。しかし、試験は2021年12月に早期中止されました。これは、効果を実証する可能性が低いことと、ランディオロールに関連する潜在的な危険の信号があったためです。

主な結果

主なアウトカムは、無作為化から14日後までの平均Sequential Organ Failure Assessment(SOFA)スコアでした。驚くべきことに、結果はランディオロール群と標準治療群で臓器不全において有意な差は見られませんでした(平均SOFAスコア8.8対8.1)。28日および90日の死亡率も統計的に有意な差は見られず、それぞれランディオロール群では37.1%、43.5%、標準治療群では25.4%、28.6%でした。

以前の研究との比較

この試験は、以前のMorelliらによる研究を複製することを意図していました。その研究では、同様のコホートエスモロールの使用が28日の死亡率を著しく減少させたことが示されていました。しかし、現在の研究ではランディオロールを使用し、その有望な結果を複製できませんでした。なお、エスモロールではなくランディオロールを選択したのは、医療スタッフがこのクリティカルな患者群に対するβ遮断に慣れておらず、またランディオロールの超短時間作用が心血管不安定性の際に追加の安全性を提供すると考えられたからです。

議論と制限

この研究は、セプティックショックにおけるβ遮断薬の広範な応用可能性に疑問を投げかけます。特に、これまでの研究との矛盾する結果が見られることから、クリティカルケア設定でのβ遮断薬の有用性についての研究が必要であることを強調しています。研究者は、早期試験中止や統計的なパワーへの影響についていくつかの制限を認識しており、心機能に関するデータの不足が介入によって得益を受ける可能性のある患者グループを特定するのを妨げていると述べています。

結論

結論として、頻脈性セプティックショックの患者において、ノルエピネフリン治療を受けながらランディオロールの投与は、無作為化から14日後までのSOFAスコアにおいて臓器機能を改善しなかったとされました。これらの結果は、確立されたセプティックショックの治療を受けながら頻脈性を管理するためのランディオロールの使用を支持していないと結論づけています。今後の研究で、クリティカルな状況でのβ遮断薬の役割を明らかにし、この薬剤クラス内の特定の薬剤に関する潜在的な差異を探ることが重要です。