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セマグルチドの肥満+心不全への有用性 2023NEJM STEP HFpEF trial

今回の論文

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2306963?query=clinical-medicine&cid=DM2281953_Non_Subscriber&bid=1774502478

 

最近心不全界隈では、魔法の薬が誕生して賑わっています。

SGLT−2阻害薬はまさにその代表です。

心不全には、ファンタスティック・フォーと呼ばれる4種類の薬剤が推奨されています。

β遮断薬、SGLT-2阻害薬、ARNi(ARB+サクビトリル)、MRA(スピロノラクトンなど)の4種類です。

急性期にまとめて同時に開始するのは難しいですが、慢性期の場合は体調が悪くないときはどうせ全部飲まなければならないので、ポリピルのような合剤にしたほうがアドヒアランスは向上するのような気もします。

 

今回の話題の薬は、GLP-1阻害薬です。

糖尿病界隈では、これも魔法の薬として広まっています。

一方、減量効果に伴い美容業界でも広く使用されています。

果たして、健康な方に減量目的に使用することが良いことなのかどうかはわかりません。

 

ただ、心不全の場合は太れば太るほど体表面積は増加するので、心臓にかかる負担も増加します。

そのため減量する必要がありますが、エクササイズも息切れで難しい場合も多いことが推測されます。

よって、食事療法が主に選択されると思うのですが、家で何もしない時間のほうが帰って色々食べてしまうことになりがちです。

肥満の人は、食べてないという人もいるかも知れませんが、多くの場合は1日に摂取したものをすべて記録すると結構食べているはずです。

 

つまり、食べる量を制限できれば最も効果的ということになりますが、それが難しいのです。

そのため、今回の研究のように痩せ薬の側面を持つ薬がフューチャーされることになります。

 

以下ChatGPT

タイトル: 心拍出量保存型心不全の治療における新たな希望:セマグルチド療法の効果

背景: 心拍出量保存型心不全(HFpEF)は増加傾向にあり、特に肥満患者において症状の重い負担や機能の低下がみられます。肥満関連のHFpEFを対象とした治療法はまだ承認されていません。

方法: 体重(キログラム)を身長(メートル)の2乗で割った体重指数(BMI)が30以上の529人のHFpEF患者を、一週間に一度セマグルチド(2.4 mg)またはプラセボを52週間投与するように無作為に割り当てました。主要評価項目は、カンザスシティ心筋症アンケート(KCCQ)臨床サマリースコア(KCCQ-CSS)の基線からの変化(スコアは0から100までで、高いスコアほど症状と身体的制限が少ないことを示します)と体重の変化でした。確認用の二次評価項目には、6分間歩行距離の変化、死亡、心不全イベント、KCCQ-CSSおよび6分間歩行距離の変化の差を含む階層的な複合評価項目、C-反応性蛋白(CRP)レベルの変化が含まれました。

結果: KCCQ-CSSの平均変化はセマグルチドで16.6ポイント、プラセボで8.7ポイントでした(推定差7.8ポイント、95%信頼区間[CI] 4.8から10.9、P<0.001)。体重の平均割合変化は、セマグルチドで-13.3%、プラセボで-2.6%でした(推定差-10.7ポイント、95%CI -11.9から-9.4、P<0.001)。6分間歩行距離の平均変化は、セマグルチドで21.5 m、プラセボで1.2 mでした(推定差20.3 m、95%CI 8.6から32.1、P<0.001)。階層的な複合評価項目の解析では、セマグルチドがプラセボよりも有利であった(勝利比1.72、95%CI 1.37から2.15、P<0.001)。CRPレベルの平均割合変化は、セマグルチドで-43.5%、プラセボで-7.3%でした(推定治療比0.61、95%CI 0.51から0.72、P<0.001)。重大な副作用は、セマグルチド群で35人(13.3%)、プラセボ群で71人(26.7%)で報告されました。

結論: BMIが30以上の心拍出量保存型心不全(HFpEF)患者において、セマグルチド(2.4 mg)療法は、症状と身体的制限の減少、運動機能の改善、体重減少においてプラセボよりも優れた効果を示しました。 (Novo Nordiskの資金提供によるもので、STEP-HFpEF ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT04788511)