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【2023 NEJM】治療抵抗性うつ病に対するケタミンの効果

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2302399?query=WB&cid=NEJM%20Weekend%20Briefing,%20June%203,%202023%20DM2224803_NEJM_Non_Subscriber&bid=1594727549

 

ケタミン

ケタミンは以前、普通の鎮痛剤として使用されていました。

現在は、麻薬としての扱いとなっていますのでさまざまな制限があります。

特に侵襲的な処置を行う際には、鎮静効果もありとても使いやすい薬剤であるといえます。

気管挿管の際にも血圧が下がりづらいとされているので、使いやすい薬剤です。

 

一般的な鎮静剤の代表にベンゾジアゼピンがあります。

ベンゾジアゼピンは、GABAに作用するので長期かつ切れ目なく(例えば朝夕内服など)使用していると依存性を生じるとされています。

GABAはアルコールや覚醒剤も同様で、これらの依存の際は離脱症状を起こすとされています。

 

今まで知らなかったのですが、ケタミンうつ病の治療として使用されることを知りました。

ケタミンはNMDAという部位に作用するのですが、その辺が関係してそうです。

ちなみにNMDAは若年者での脳炎の原因としても有名です。

 

うつ病に対しては、電気けいれん療法が標準治療のようです。

当然、薬剤抵抗性という前提ですが、電気けいれん療法よりも試行は簡単ですし、効果が得られるのであればもっと使用されても良いような気がしました。

似たような議論で、医療用大麻などもありますが、医療用大麻はそもそも未承認なので使用できません。

ケタミンの場合は、使い方を間違えなければ合法ですので、極端な話明日からでも使用することが可能となります。

ちなみに、集中治療を行う場合でも次第にうつ症状が出現される方がいらっしゃいます。

そのようなシチュエーションでも効果があるのかは分かりませんが、鎮痛剤を使用する際にケタミンを選択という手もあるのでしょうか(まあ、まだやらないでしょうけど)。

 

以下ChatGPT

この研究は、治療抵抗性のある非精神病性の重度うつ病の治療において、電気けいれん療法(ECT)と軽度の静脈内ケタミンの比較効果を調査しました。この試験は、5つの臨床施設でオープンラベルの無作為化非劣性試験として行われました。

治療抵抗性の重度うつ病の患者403人が試験に参加し、ケタミン群とECT群にランダムに割り当てられました。初めの3週間の治療期間中、ケタミン群は週に2回、ECT群は週に3回治療を受けました。主な評価項目は治療反応であり、16項目のクイックうつ病症状自己報告尺度のスコアがベースラインから50%以上減少することを指しました。二次評価項目には記憶テストのスコアと患者報告の生活の質が含まれていました。治療反応が得られた患者は追加の6か月間フォローアップされました。

患者の中に治療前に中止した者がいたため、ケタミン群には195人、ECT群には170人の患者が投与されました。研究では、ケタミン群の55.4%とECT群の41.2%の患者が治療反応を示しました。両群の差は14.2パーセンテージポイントで、ケタミンのECTに対する非劣性を示していました(P<0.001)。ECTは治療の3週間後に記憶の回想能力が低下しましたが、フォローアップ中に徐々に回復しました。両群で患者報告の生活の質の改善は同様でした。ECTには筋骨格系の副作用が、ケタミンには脱感作症状が関連していました。

結論として、この研究では、治療抵抗性の非精神病性の重度うつ病の治療において、ケタミンはECTと同等の非劣性を持つことが示されました。これらの結果は、ケタミンがこの患者集団でECTの有効な代替療法となり得ることを示唆しています。この研究は、患者中心のアウトカム研究所(Patient-Centered Outcomes Research Institute)によって資金提供され、試験はClinicalTrials.govの識別子NCT03113968に登録されています。