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急性胆嚢炎:妊婦における治療アプローチとその影響

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Introduction

妊婦の非産科的腹部緊急事態の診断と管理は、臨床医師と患者の両方にとって難しいものです。妊娠中の感染症、特に急性胆嚢炎(AC)は、妊婦における手術の最も一般的な非産科的適応の1つです。妊婦を含むACに関するリスクや有害な妊娠転帰(APOs)といった要因を考慮した治療は、妊娠中のリスクと利益のバランスを必要とします。本研究では、妊婦におけるACおよびその治療に関連するAPOのリスクを検証し、トリメスター別に異なるリスクを考慮した初めての大規模なコホート研究を行いました。

Key Points:

1. **研究の目的**

妊婦におけるACの患者で、胆嚢摘出術を受けた場合と受けていない場合との間でAPOの差があるかどうかを調査。


2. **研究結果**

3426例の妊婦のACコホート研究では、34.5%が妊娠中に胆嚢摘出術を受けました。非手術的管理と比較して、胆嚢摘出術を受けた患者はトリメスター別においても(早産または妊娠損失といった)APOの発生確率が低かった。

3. **結論と意義**: これらの結果は、妊娠中のいかなる時期でも胆嚢摘出術をサポートし、AC患者に対する手術の増加が妊娠転帰を改善する機会となる可能性を示唆しています。治療の意思決定において、これらの知見を活用することが重要です。

Abstract

**背景**

妊娠中のACの管理においては、妊娠損失または早産(APOs)のリスクと手術の有無をバランスさせる必要があります。ガイドラインは、トリメスターにわたり胆嚢摘出術を推奨していますが、ACおよびその管理に関するトリメスター別のエビデンスは不足しています。

**目的**

妊婦におけるAC患者の胆嚢摘出術の頻度を評価し、ACのある妊婦とない妊婦のAPOの発生率を比較し、ACのある患者で胆嚢摘出術を受けた場合と受けていない場合のAPOの発生率を比較すること。

**研究デザインと方法**

3426人の妊婦を含む後ろ向きの人口ベースのコホート研究で、IBM MarketScan商業クレームおよびエンカウンターデータベースのデータを使用。妊娠トリメスター、APO、および胆嚢摘出術は管理クレームによって定義され、データは2021年10月から2022年7月にかけて分析されました。

**結果**

ACのある妊婦5759人とACのない妊婦23036人がプロパンシティスコアでマッチングされました。34.5%の妊婦が妊娠中に胆嚢摘出術を受け、これは非手術的管理と比較してAPO(早産または妊娠損失)の発生確率が低かった(全トリメスターでOR、0.75 [95%CI、0.63-0.87])。

**結論と関連性**

この研究では、妊娠中のAC患者において、胆嚢摘出術が全トリメスターでAPOのリスクを低減させると結論づけられました。しかし、全体の34.5%および第3トリメスターでのみ12.0%の患者が胆嚢摘出術を受けました。これらの結果は胆嚢摘出術のガイドラインをサポートし、治療の意思決定に情報提供するものとなります。特に第3トリメスターでのガイドラインへの遵守と手術の利用が改善の機会を提供する可能性があります。