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アミカシン吸入による人工呼吸器関連肺炎の予防

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2310307?query=clinical-medicine&cid=DM2297936_Non_Subscriber&bid=1907583103

 

背景

人工呼吸器による肺炎の発生率を低減させるための予防的な吸入式抗生物質の効果については不明確でした。この課題に焦点を当てた新しい研究が行われました。

研究方法

フランスの19の集中治療室で実施された大規模で二重盲検、無作為化比較試験では、72時間以上の人工呼吸器治療を受けている重症な成人患者が、1日あたり体重1キログラム当たり20ミリグラムのアミカシンを3日間投与する群と、同じ期間にプラセボを投与する群にランダムに割り付けられました。主要な結果は28日間の追跡期間中に初めて発生する人工呼吸器に関連する肺炎で、安全性も評価されました。

研究結果

850人の患者がランダムに割り付けられ、アミカシン群には417人、プラセボ群には430人が含まれました。アミカシン群では15%が人工呼吸器に関連する肺炎を発症し、プラセボ群では22%でした。制限された平均生存時間の差は1.5日で、有意でした。アミカシン群では感染に関連する人工呼吸器に関連する合併症が18%、プラセボ群では26%であり、有意差がありました。試験に関連する重大な有害事象はアミカシン群で1.7%、プラセボ群で0.9%でした。

研究結論

この研究から、人工呼吸器を受けている患者に対する3日間の吸入アミカシン療法が、28日間の追跡期間中において人工呼吸器に関連する肺炎の発生率を低減させる可能性が示唆されました。アミカシン療法は効果的であり、安全性も確認されました。予防的な吸入式抗生物質が有効であることが示され、今後の研究や実践への期待が高まります。