〇〇病院診療看護師(NP)のお勉強用

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心原性ショックには機械的循環サポートの有用性は示せない? 2023NEJM ECLS-SHOCK trial

今回の論文 https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2307227?query=clinical-medicine&cid=DM2281953_Non_Subscriber&bid=1774502478 心原性ショックには、SCAI分類という分類が用いられています。 A〜Eまでの5段階で、AはAt riskと軽症ですが、数値が…

75歳以上の冠動脈多枝病変症例には、責任病変以外への介入も有用? NEJM2023 FIRE trial

今回の論文 https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2300468?query=clinical-medicine&cid=DM2281953_Non_Subscriber&bid=1774502478 この領域は全く詳しくないのでが、一般的に心筋梗塞(ACS)の場合は、責任病変に対し介入(PCI)が行われます。 今…

気管挿管時のビデオ喉頭鏡の使用は成功率を高める

今回の論文 DEVICE trial 2023NEJM https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2301601?query=clinical-medicine&cid=DM2281953_Non_Subscriber&bid=1774502478 実際の臨床現場では、いわゆるマッキントッシュ型の直接覗くタイプの喉頭鏡は、ほとんど見な…

トラウマ患者の緊急手術におけるデクスメデトミジンのPTSD予防効果

jamanetwork.com デクスメデトミジン デクスメデトミジンは、以前はせん妄予防効果などが示されていました。 現在は、せん妄予防効果や心房細動発症に関しても懐疑的な印象です。 しかしこれらを統合したメタ解析を行うと、せん妄予防効果や心房細動発症率も…

術前からの多様なリハビリテーション介入

jamanetwork.com リハビリテーション リハビリテーションは、一般的に低下した機能を回復させるのが主な目的でした。 特に近年では、フレイルと呼ばれる虚弱な患者さんに対しては予後が不良で有ることが示されています。 つまり、特に予定の手術などの医療処…

動脈ステント手術を受けた糖尿病患者におけるクロピドグレル対アスピリン

jamanetwork.com クロピドグレルとアスピリン 冠動脈ステント術後の場合、DAPTと呼ばれる2剤の抗血小板剤が用いられます。 今回の研究は、Post hoc解析なので、信ぴょう性は落ちると思われますが、クロピドグレルの有用性を示した研究になります。 クロピド…

動脈ステント手術を受けた糖尿病患者におけるクロピドグレル対アスピリン

jamanetwork.com クロピドグレルとアスピリン 冠動脈ステント術後の場合、DAPTと呼ばれる2剤の抗血小板剤が用いられます。 今回の研究は、Post hoc解析なので、信ぴょう性は落ちると思われますが、クロピドグレルの有用性を示した研究になります。 クロピド…

くも膜下出血の降圧目標

https://www.ahajournals.org/doi/epub/10.1161/STROKEAHA.121.036139 くも膜下出血の血圧は くも膜下出血(SAH)の血圧管理は,なるべく低いという戦略が多くの施設で取られているように思います. 実際はよくわかっていない,というのが実情だと思います.…

握力とPICS(集中治療後症候群)との関連性

今回の研究は、日本からの報告です ICUへ入室する患者さんの握力と精神症状(PICS)との関連性を調査しています https://bmjopen.bmj.com/content/13/5/e068983.long そもそも握力は、全身の筋力を反映するとされています 特に高齢者のフレイルを評価する上…

集中治療室ではBMIが高いほうがよい?

ICUでは、過大な侵襲が加わる事で栄養が重要とされてきました しかし、早期から過大な栄養を行っても利益がないことがわかっています https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/nejmoa1102662 さらには、Obesity paradoxと呼ばれる状態も言われています 一般的…

SGLT2とDPP4の比較

https://journals.lww.com/ccmjournal/Fulltext/2023/08000/Risk_of_ICU_Admission_and_Related_Mortality_in.10.aspx/?cid=eTOC+Issues.2021-ccmjournal-00003246-202308000-00000&rid=E_0000000002398164&TargetID=&EjpToken=jTA3KZ9Tvk5Ml5nI--DAqVKYzYyv…

重症患者へのビタミンC投与は有害性となる可能性もある

https://journals.lww.com/ccmjournal/Fulltext/2023/08000/IV_Vitamin_C_in_Adults_With_Sepsis__A_Bayesian.16.aspx/?cid=eTOC+Issues.2021-ccmjournal-00003246-202308000-00000&rid=E_0000000002398164&TargetID=&EjpToken=jTA3KZ9Tvk5Ml5nI--DAqVKYzYyv…

熱傷へのグルタミン投与は予後を改善させない

https://journals.lww.com/ccmjournal/Fulltext/2023/08000/The_Efficacy_of_Glutamine_Supplementation_in.11.aspx/?cid=eTOC+Issues.2021-ccmjournal-00003246-202308000-00000&rid=E_0000000002398164&TargetID=&EjpToken=jTA3KZ9Tvk5Ml5nI--DAqVKYzYyv0U…

早期リハビリの有用性

https://journals.lww.com/ccmjournal/Fulltext/2023/08000/Long_Term_Prognosis_Following_Early_Rehabilitation.8.aspx/?cid=eTOC+Issues.2021-ccmjournal-00003246-202308000-00000&rid=E_0000000002398164&TargetID=&EjpToken=jTA3KZ9Tvk5Ml5nI--DAqVKYz…

末期腎不全への腎代替療法への異なるアプローチ【2023NEJM CONVINCE Trial】

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2304820 感想 高流量の血液濾過透析と血液透析では,血液濾過透析の方が死亡率を減少させた. これは,結構興味深い研究だと思います. 少なくとも集中治療領域においては,死亡率への影響はないとされてきまし…

肺動脈圧の遠隔モニタリングで慢性心不全の予後改善【MONITOR-HF 2023 Lancet】

https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(23)00923-6/fulltext?dgcid=raven_jbs_etoc_email#sec1 感想 心不全患者さんは,そもそも診断がとてもむずかしいです. 診断に関しては,BNPやNT-ProBNPのおかげで,非専門医でもだいぶわ…

Covid-19パンデミック時には外来への医療アクセスが悪くなることで患者予後は悪くなった

https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2806472?utm_source=silverchair&utm_medium=email&utm_campaign=article_alert-jamanetworkopen&utm_content=wklyforyou&utm_term=062323 感想 日本からの研究報告. mbulatory care–sensiti…

乳がん患者におけるナースの介入は心理的苦悩を軽減する

https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2806506?utm_source=silverchair&utm_medium=email&utm_campaign=article_alert-jamanetworkopen&utm_content=wklyforyou&utm_term=062323 感想 この領域のことは正直良くわかりません. しか…

1週間に1回投与のインスリン有用性は

https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(23)00520-2/fulltext?dgcid=raven_jbs_etoc_email インスリンは少ないほどよい 当然ですが,インスリンを注射する回数が少なければ少ないほど良いわけです. 打ち忘れの問題も減りますし,…

敗血症時のエスモロール(β遮断薬)の適応

背景 頻脈が良くないというのはよく分かるのですが,シチュエーション次第ということになります. ATPを働かせるためには,酸素が必要で,酸素をさいぼうに送り届けるのが「ヘモグロビンと心拍出量と酸素飽和度」と言われています. 3つの因子 つまり,この3…

【2023 NEJM】治療抵抗性うつ病に対するケタミンの効果

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2302399?query=WB&cid=NEJM%20Weekend%20Briefing,%20June%203,%202023%20DM2224803_NEJM_Non_Subscriber&bid=1594727549 ケタミン ケタミンは以前、普通の鎮痛剤として使用されていました。 現在は、麻薬とし…

【CANVAS 2023JAMA】胆癌患者の繰り返す静脈血栓塞栓症予防

背景 VTE(静脈血栓塞栓症)は,重症患者に多いです. 他では骨盤内の手術操作を伴うものや,胆がん患者でも増えます. 古典的には,ウィルヒョウの3徴が有名です. うっ滞・過凝固・血管内皮障害の3つです. そのため,予防を行います. 予防は,抗血小板剤…

【SAFW study 2004 NEJM】蘇生輸液としてのアルブミンの効果

背景 この研究は集中治療医にとって,過去の論文の中でもTop5に入る論文だと思います. 肩を並べるのが,ARMA研究などではないでしょうか. https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/nejm200005043421801 何がすごいかというと,アルブミンを二重盲検で行った…

【ALBIOS Study 2014NEJM】重症敗血症へのアルブミン投与

背景 アルブミンの投与に関しては,未だに分からないことが多いです. よく議論されているのは,間質から血管内に水を引き込む効果があるとか・・ 多少効果はあるのかもしれませんが,明確なエンドポイントで有意性を示したものはないはずです. 重症患者さ…

【TRANSFORM-HF trial 2023 JAMA】 トルセミドとフロセミドの比較

https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2800428 背景 通常体液管理目的に最も使用されるのは,利尿剤の中でもフロセミドです. 臨床的にも,ダントツで98%くらいはフロセミドが使われているように思います. これが病棟で退院に向けた内服管理…

イレウスと腸閉塞

呼称はとても大事 細かすぎるのも問題ですが,伝わらないのはもっと問題です. 例えば,「抗菌薬」と「抗生剤」では意味が通じると思います. でも「イレウス」と「腸閉塞」では全く異なる事象を示しているのでプレゼンの際は注意が必要になります. 故障に…

医師の直接的指示に法的妥当性はあるのか?

臨床工学技師が放射線照射 神戸大学病院で,臨床工学技士が放射線を照射したとして問題になっているようです. 記事には,医師の直接的指示で臨床工学技士へ放射線照射のボタンを押していた,ということのようです. https://www.yomiuri.co.jp/national/202…

PACER Dutch Trial (NEJM 2023)CVカテーテル留置前の血小板輸血は必要か?

血小板低値と中心静脈カテーテル(CV) そもそも中心静脈ラインが必要な患者さんの多くは,重症患者です. 重症患者の場合は,血小板がよく下がります. 血小板の寿命は10日程度とされています. 重症患者の場合は,播種性血管内凝固症候群(DIC)と呼ばれる…

NP創設で在宅医療の問題解決は「あり得ない」のか?

NPとは NPとは主に米国におけるNurse practitione(ナースプラクティショナーの事です. Nurse practitionerの場合は,医師と比較して遜色がないことが多くの研究において示されています. そして,医療コストも安価になるということで,Nurse practitioner…

ノルアドの次に使う昇圧剤は何が良い?

血管拡張薬の分類 心毒性のないもの ・Phenylephrine ・Vasopressin ・Angiotensin-II フェニレフリンは単純なα作用だけですので,血圧低下の際に合計10mlに薄めて1mlづつ血圧を見ながら使う方法が一般的かもしれません. ノルアドレナリンの次の薬剤として…